当院では、Bench-to-bedside(研究と臨床をつなぐ体制)を掲げ、再生医療とがん免疫療法を行っております。
※ 受付時間:月・火曜日の14:00〜15:30
再生医療:体内に幹細胞(多機能細胞)を移植し、機能を失った臓器の蘇生を目指す。
他家移植:若くて元気な動物のたくましい幹細胞を難病を患った動物や虚弱な動物に移植する。
自家移植:患者自身の幹細胞を自らに移植する。
がん免疫療法:体に本来備わっている、がん抑制力(抵抗力)を取り戻させる戦略の下、自己血液から、殺腫瘍効果のある活性化リンパ球と樹状細胞を作製し、体内に戻す。
再生医療とは
再生医療(幹細胞移植)とは、薬では太刀打ちできない病気に対し、幹細胞の持つ多彩な能力を用いて、体の損傷部位の修復や再生を促す治療です。
正式名称、間葉系幹細胞とは、
…骨髄、脂肪、歯芽、臍帯等の組織の隙間々にわずかに存在する幹細胞のことで、色々な細胞に分化する能力や病的な組織破壊から細胞を守る能力を持つことが医学・獣医学研究で明らかにされてきました。
当院では帝王切開手術件数が多いため、主に臍帯の幹細胞を再生医療に用いています。
実際の再生医療の適応は
当院の幹細胞療法で効果のあった病気の例
犬
・椎間板ヘルニア
・アトピー性皮膚炎
・慢性の下痢症
猫
・免疫介在性溶血性貧血
・猫伝染性腹膜炎
※その他、以下の病気への応用が報告されています
・神経疾患(脳梗塞、認知症など)
・免疫疾患(猫:口内炎、喘息、好酸球性肉芽腫性炎、犬:多発性関節炎、炎症性腸症、三臓器炎など)
・組織の修復不良(骨折の癒合不良、褥瘡(床ずれ)、角膜潰瘍など)
・内分泌疾患(糖尿病など)
・臓器障害(慢性肝炎、腎不全など)
・造血器疾患(再生不良性貧血など)
臍帯由来幹細胞が再生医療に用いられる流れ
臍帯から取り出した幹細胞を難病の治療へ応用
がん免疫療法(免疫細胞でがんを壊す)
1. 活性化リンパ球療法
患者様自身の血液からがんを攻撃するリンパ球を選択的に増やし、体内に戻します。
2. 樹状細胞療法
がん病巣から取り出したがん細胞の死骸を樹状細胞(免疫の司令官)に食べさせ、免疫の司令官として成熟させた後、がん病巣の中に移植します。
これらの細胞移植による相乗効果により、がん細胞情報が樹状細胞から活性化リンパ球に渡され(2→1)、がんの狙い撃ち治療ができます。
がん免疫療法の特徴
メリットは、
1.がん細胞選択的治療なので副作用がほとんど無い。
2.麻酔や手術を必要としない場合もあり、高齢の患者さんへの負担が少ない。
3.体内にがん(異物)に対する記憶が起こるため、再発や転移を抑えられる。
4.免疫細胞の活性化により、全身状態が良好になる。
効果は、
…がん免疫療法は近年の研究の発展により、従来の予防医療にとどまらず、治療として期待されています。
活性化リンパ球療法
樹状細胞療法
Copyright © Nakanomichi Animal Care Hospitals,Inc All Right Reserved.